小倉先生 平成30年11月
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 小倉将
「また訪問診療で車で移動中など小山先生から医療や介護の制度から沖縄や日本の歴史
文化までと様々な話をしていただいた。様々な含蓄がありOUTPUTも好きとのことで本の出版
からFM放送のMCまで行っている。そばの栽培も行っている。好奇心も強く新しいことをはじめたり
とバイタリティに溢れてスピーディーに仕事をこなす。と同時に旧知の友人がわざわざ長野から
年一回の健診を行うために沖縄まで来るなど人を大切にしているからこそ起こりえることであり
小山先生の人間的魅力を現していると思った。」レポートより。
清家先生 平成30年10月
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 清家拓海
「特別養護老人ホームしらゆりの園での取り組みとして、胃瘻・オムツを0にするというものは
印象的でした。治療上でどうしても避けられない、という状況はもちろんあるでしょうが、
それらを用いることでやはりADL低下は免れないと思います。実際、ホームではご年齢を
考慮しても想像以上に自力歩行が出来、意思疎通の取れる方が多かったのはその取り組み
による部分も大きいのではないかと思いました。更にしらゆりの園では丁度、一年に一度の
健康診断の時期であり、私は心電図、胸部レントゲン撮影の業務に就かせて頂きました。
100歳を越す方も多くいらっしゃり、指示が入らないことも多かったですが、彼らの健康維持の
一助になれば幸いです。」
根田先生 平成30年9月
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 根田知明
「急にお腹が痛くなった」と言った急性期に近い患者も受診しており、地域医療=慢性期と
言った自分のなかでのイメージは崩れ、地域医療=総合医と言った新たなイメージ像が
出来た。地域医療では、血液検査、画像検査も大病院と違って、何不自由なく行えると
いう訳ではなく、限られた医療資源の中で行わなければならず、非常に困難であった。
その中で頼りになるのは自分の診察能力だけであり、日頃恵まれた環境で医療を行え
ているのだと言うことを実感した。また、血液検査、画像検査等を行ってくれる検査科の
人々のありがたみを感じ、今後は検査だけに頼らず、自分自身の眼で患者を診る力を
もっと養って行く必要があると実感した。」
奥田先生 平成30年8月
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 奥田知史
「奥田先生は空手家で、沖縄にもたびたび来られていたということでした。また、医者になろうと
したきっかけは、建設会社に勤務して名古屋の方の現場で働いていた時、予備校の看板と
予備校に通う受験生を見て、自分も医学部を受験して医者になることを決意したと言って
いました。玉城の奥武島(現南城市)で明治12年に生まれた大城幸之一先生も、高等小学校
に通いながら、「沖縄には医者が少ないから医者になる」と決意し、医生教習所に通い、医師
開業試験に20歳で合格して、医者になりました。私も7年ほど遅く医者になりましたが、
長生きの時代になりましたから、奥田先生もますます頑張ってください。期待しています。
大新田先生レポート抜粋 平成30年7月
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 大新田訓承
「7月9日から7月21日までの間、南城つはこクリニックにて地域医療研修をさせて頂く機会を
得ました。私自身、今までに沖縄を訪れたことが無かったので、とても楽しみにしていました。
沖縄独自の文化や食などを、実際に自身で体験することによって、より深く地域医療を理解
できるのでは、と思い色々な所を訪れ、様々なものを食べました。真夏の暑い気候の影響
かもしれませんが、外を歩いている人の姿をあまり見かけなかった印象を受けました。
また、完全に車社会になっている印象も受けました。食に関してですが、食材自体は健康的
なものが多いですが、味付けが濃いめで塩分が気になりました。上記理由により、生活習慣病
を患っている方が非常に多いのでは、と予想しながら研修スタートとなりました。・・・・この2週間
の研修を通して、今後の日本社会で求められてくる医療・介護等の姿を学びました。普段の勤務
では、医療知識や臨床技術の習得でいっぱいいっぱいになっていますが、今後はそれらに加えて
公衆衛生や介護制度にも目を向けて、しっかり学んでいかなければならないと思いました。
あっという間の2週間でしたが、得たことは大変濃いものでした。」
高津先生レポート抜粋 平成30年6月
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 高津優斗 「発熱、排便障害、呼吸困難など
症状多彩で常に100人近くの入所者を把握しなければならずとても多忙を極める業務であった。
午前はクリニック診療、午後は車で複数の施設を回る訪問診療そしてまた午後16時から18時まで
クリニックでの診療とハードスケジュールを淡々とこなしていく小山先生にただただ頭が下がる
ばかりであった。最初は私自身日々の業務をこなしていくのに精一杯で訪問診療の魅力を感じな
かった。しかし日がたつにつれ訪れるたびに「先生、先生」と笑顔で小山先生の訪問を喜ぶ90歳を
超える高齢の患者やそれに応えようと一日も休むことなくテキパキと働く小山先生の姿を見て
少しずつ考えが変わってきた。」
深井先生レポート抜粋 平成30年1月9日から20日まで
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 深井翼
在宅医療とは在宅で行う医療のこと。外来・入院についで第三の医療として捉えられている。
狭義には、緩和医療などの医療者が通院困難な患者の自宅もしくは老人施設などを訪問して
医療を行うことである。 広義には、「病院外」で行うすべての医療のことである。在宅医療は
病院では一元的に提供されていた医療が、地域の個々の医療機関に役割分担され、
「患者の自宅」という「病室」に対して一元的に提供されるもの、医療提供組織の規模が
一つの建物から一つの地域に拡散、拡大したものとも言える。現在、その担い手には次の
ようなものがある。訪問診療または往診、訪問看護などである。小山先生の特別養護老人
ホーム【しらゆりの園】での入所者一人一人に対して親身に接する姿を見て、こういう医者
になりたいと思いました。また、往診先である特別養護老人ホームでは“おむつゼロ”や“
胃ろうから常食へ”の取り組みを積極的に行っており、病院より自立を促していることに
驚くとともに、入院中とは言えどれだけ安易にバルーン挿入や軟食への変更を行っていた
かに気づかされました。
箕浦先生レポート抜粋 平成29年11月13日から25日まで
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 箕浦安祐
今後、2025年問題でもいわれているように、5人に1人が75歳以上・65歳以上は3人に1人
となる時代に医師となった私たちにとって、医療と介護の密着度は高い。東名厚木病院
にも超高齢者が「CPA」でかつぎこまれたり、「歩けない」という理由で運ばれてくる場合
がある。このような問題に対して政府は家庭医を増やし、在宅医療に主眼を置いているが
2018年の診療・介護報酬改定でも問題は山積みでまだ発展途上なのはいうまでもない。
関東に戻っても地域の医療者として、病院の資源を利用して地域の患者のために何を
することが幸せなのかを考えて医療に貢献し地域救急医療を実践したいと思った。また、
地域の風土病を知る目的で、ハブ研究所のある、県の衛生環境所も見学させて頂きました。
施設ではハブの生息域の分布調査、健康被害のデータ調査だけでなく抗毒素の作成、
さらには特殊なPCRや電気泳動の機械を用いてゲノムの解析を行っていた
丸山来輝先生レポート抜粋 平成29年10月2日から14日まで
沖縄地域医療研修 東名厚木病院 初期研修医 丸山来輝
特に診療で風土を感じたのはインフォームドコンセントです。沖縄県の高齢者、中高年は
「上等」という言葉をよく使い、「異常ありません」、「正常です」という言葉よりも、「上等」と
言われると一番安心します。問題ない時には積極的にこの言葉を使う事も信頼関係の
一助となっていると感じました。診療所の役割は特定検診、予防接種、禁煙外来等の
業務もあり同様の態度で接し地域の予防医療に従事していました。家族複数人で受診
している方も多く、家族全体を見る“家庭医療”であると感じました。また、医療の充実
していない地域、では若月先生の著書にもあるように予防医療が重要な役割を果たして
いると学びました。 また、訪問診療先の一つであるしらゆりの園では、日中おむつ0運動
や胃ろうから常食へ、という運動が行われ、成果をあげていると聞きました。
こういった予防医療も行われており、慢性期医療の地域での負担を減らしていると感じました。
研修レポート 東名厚木病院 初期研修医 見原 雄貴研修期間:2017/8/14~8/26 医師
として働き始めて1年半、急性期治療を中心に勉強してきましたが、この度は「地域医療・
在宅医療」を沖縄県で勉強する機会に恵まれました。これまでは「病気を治すこと」「急激に
増悪した状態を改善すること」が患者と向き合うにあたってのひとつのゴールでした。しかし
この研修期間では「病気が悪くならないようにすること」「入院しないで済むように対処すること」
を念頭に置いて診療に当たらせて頂きましたが、両者の相違は想像以上でした。私にとって
最も新鮮だったことは、「患者の求めに応じて医療を提供する」という小山先生のお言葉でした。
「検査の結果が悪かったから、ガイドラインに当てはめて治療を行う」、「調子の悪い患者が
点滴(補液)を希望してきても、医学的に不要だから点滴は行わない」といったEBM偏重の
考え方ではなく、何気ない会話から患者さんがどこまでの医療を求めているかを読み取る
ことが求められると実感しました。
今年も神奈川県の東名厚木病院から南城市地域医療研修として、木村大輝先生が南城つはこ
クリニックで活躍しています。離島医療の視察で久高島診療所を訪問。往路は安座間港から
高速船に乗船。あいにく悪天候で海上の波も高く少々驚いたようですが、復路はフェリーの
ため船も揺れずに一息つけたとのことでした。ご苦労様。
また、久高島診療所では離島医療について金城先生に伺うことができた。沖縄県には39の
有人島があり、そのうち病院や診療所があるのは20である。その中でも久高島は本島と近く
片道15~20分のフェリーが日に6便出ており、本島へのアクセスは比較的良い。また島の
学校は中学校までしかないため、子供は本島に住んでいる高齢者だけの世帯が多い。
更に古くから神のいる島とされ、神聖な島内で人が亡くなるのを嫌がる島民もいる。そう
いった背景から、診療所では対応できない場合に、本島へ行くことをそこまで嫌がる人は
少ない。しかし、このことが逆にこの島での問題を生じさせているという。自分の医療情報
を正しく把握できていない状態で安易に本島の医療機関を受診し、いつの間にか重複や
慎重投与の薬を内服しており、こちらもそれをわからずに診療をしている場合があるのだ。
その地域の立地や風習などが、受療行動に顕著に影響を与えていることがわかった。
また、高齢者割合が多いものの介護サービスを受けられる場所が極端に少ないという。
こうした問題がある中で、今年で島医療に従事して3年目という金城先生は、内科から
外科、小児から高齢者と全人的な医療で久高島の医療に貢献していらっしゃった。
我々がこれから先、少子高齢化社会で理想とする地域医療システムには診療所や在宅医療
はかかせない要素である。実際に診療所における診療や在宅および訪問診療に触れさせて頂く
事で、そうしたシステムの中での可能性や実力を垣間見て実感することが出来たのは何よりも
良い経験となった。今後の医療を担うためにも様々な視点を持ち、臨床の知識や技術のみ
ならず、医療制度や介護制度といった公衆衛生にも目を向けて常に学び、思案せねばならない。
研修期間:(10/17~10/29) 浜田潤先生のレポート 「南城つはこクリニックでの外来診療
では、小山先生が患者さんに接する際に様々な言葉をかけていらっしゃる事が印象的
でした。「100歳まで元気に生きる」「良くしゃべり、良く食べ、良く歩く」「姿勢を良くする」
といった言葉をかけ健康指導をされておりました。これらの言葉には小山先生の人生哲学
が凝集されている言葉のように感じ、大変感銘を受けました。また時には、「私はあなたに
何が出来るかな? 何をしてあげればいいのかな?」といった言葉で、患者さんが何に困って
何を望んでいるのかを、深く考え診察されていました。中規模・大規模の病院では患者の主訴
や症状がはっきりしており、それらの主訴、症状の治療を行うという事が多いですが、診療所
ではそのようなケースばかりではなく、客観的な所見やデータだけでは、はっきりしない患者
さんの求めが多くあることを知りました。その様な状況下では患者の求めに耳を傾け診療を
行うという事の必要性、重要性を感じました。また時に小山先生は日本医師会に直接電話し
診療所や地域医療の現状や問題点を訴えるといった事もあり、地域と組織のより良い連携
医療の現場と制度がより良く適合するために、日々考え行動されていました。」
今回は医療だけではなく、沖縄に住まれている方のライフスタイルも理解するという目的を
持ち研修に臨みました。地域医療ではEBMより経験に基づいた治療が優先されるという
小山先生の考え方に非常に感銘を受けました。地域医療で大切な事は病気を早く
見つけて、治す事ではなく、患者の求めに応じて医療を提供する事です。これは今
私が働いている急性期病院とは考え方が大きく違います。急性期医療では病院に
救急車で来院し、そこで初めから病歴を聴取するため、痛みや発熱等の症状の原因
を精査し、適切に診断をつけて加療する事となり、ここではEBMが重要となります。
地域医療では長期間継続して診ている患者さんが大多数を占めるため、長年の
個人健康情報の蓄積が一番の治療の指針となります。地域医療では患者を治す事
は難しくても障害を持ちながらも生活を健康の送るための医療、生活を支える事に
重きを置いていると感じました。
訪問診療では、次の2点についての重要性を学びました。 まず、トイレでの排泄の
重要性です。これはオムツゼロ、という取り組みでも知られていますが、意思疎通の
取りにくい認知症の患者様においても、病室の近くにトイレを設置したり、一日の中で
決められた時間にトイレへ誘導したりすることで、患者にトイレでの排泄を諦めさせない
その結果機能を落とさない、という効果を示しています。排泄だけでなく、認知機能に
おいても、低下を抑える面があるように感じました。 もう一点は、予防医療の重要性
です。慢性疾患の管理や、指導。また、今回訪問させていただいた特別養護老人
ホームでは、常に看護師さんが常駐しており、日常の内服や熱発患者の管理等を
行っていました。すぐに検査が行うことができない入所中の患者においても、早期に
抗生剤を投与することで、肺炎、尿路感染等の重症化を防ぐことができる。僕が普段
研修している市中病院では、重症肺炎になってから搬送され入院し、入院生活を
通してADL低下や認知症が進行する、といった患者を良く目にしているため、非常
に意義のある考え方のように感じました。今回の研修にて指導をしていただいた
小山信二先生の言葉ですが、百聞は一見にしかず、という経験を、沖縄県南城市
で非常にたくさんさせていただきました。今後も様々な視点で、医療に対する知識
を深めていくことができればと感じました。
神奈川県の東名厚木病院から今年3人目の研修医,神田菜月先生。写真左側は久高島診療所。
11月18日、20日、22日の放送(午前11時15分過ぎに登場)で神田菜月の生声が聴けますよ。
「しらゆりの園」で 新百歳・トーカチ・カジマヤーの祝賀会が開催されました。写真は
小山理事長と研修医の新井圭一先生です。新井先生の研修期間は10月30日まで
の予定。まだまだ残暑が続く沖縄の地域医療現場で奮闘中です。
秋まき蕎麦”さちいずみ”を研修医の加藤先生と共に種まきしました。10月12日は体育の
日でしたが南城市佐敷も快晴で加藤先生も汗だくになりながら人生初の農作業。
種まきの前に、畑には培養土をいれそして肥料を入れる作業もありましたから
きっとこの日は疲労困憊かな。